小学6年と中学3年が対象の「全国学力調査」について検討していた文部科学省の専門家会議は29日、2019年度から中3で始める英語の新テストについて最終報告を公表した。「読む・書く・聞く・話す」の4技能を測り、3年に1回程度で実施。「話す」については別日程とし、パソコンなどに音声を録音する方式を採る。
いまの学力調査は、国語と算数・数学の2教科が毎年、理科が3年に1回程度で4月に行われる。文科省は今後、英語の出題内容や採点方法などの詳細を詰め、18年度に試行テストをする。
最終報告によると、英語の4技能のうち「読む」と「聞く」はマークシート式、「書く」は記述式で答える。一方、「話す」は他の3技能と別日程で、生徒はヘッドホンを着けてパソコンやタブレット端末を使う。英語の質問に英語で答えて音声を吹き込み、録音データを委託業者に送って採点。準備を含めた試験時間は10分程度とする。
また、専門家会議がまとめた学力調査についての提言を踏まえ、文科省は17年度から、都道府県別のほかに政令指定市別の成績も公表。「国語A」「算数B」といった区分ごとの平均正答率などに加え、子どもを正答数の多い順に4分類して人数の割合を示し、より詳しく分析できるようにする。大学などの研究者に一定期間、個人別の成績のデータを貸し出し、研究成果を施策に生かす仕組みも始める。
一方、都道府県別の一覧を除き小数点以下まで出していた平均正答率について、「序列化や過度な競争を招かないため」として、17年度からは四捨五入してすべて整数で提供する。(水沢健一)