福岡大大濠―報徳学園 ベンチから試合を見守る福岡大大濠の三浦(右)=細川卓撮影
(29日、選抜高校野球 報徳学園8―3福岡大大濠)
動画もニュースも「バーチャル高校野球」
エース温存、福岡大大濠が敗退 三浦「投げたかった」
試合詳細はこちら
勇気ある決断だったと拍手を送りたい。福岡大大濠は3日前に15回、前日に9回を投げた三浦を登板させなかった。本人は「どこも痛くないし、疲れもない」と報告し、トレーナーもゴーサインを出したが、八木監督が「決勝まで4連戦になる。休ませるのはここしかない」と判断した。
三浦は連投できるだけの練習を積み、監督も強いエースに育てたという自信があるだろう。それでも連投になれば、きっと無理がくる。悩んだ末の苦しい決断だったと推察する。
ただ、最後の夏や甲子園がかかる大会で、同じ判断ができるかどうかは難しいところだ。
故障を防止するルールは投手のためだけでなく、決断を迫られる指導者のためにも作らなければならないと気づかされた。
複数投手を育成し、連投による負担を軽減しようという意識は浸透してきた。延長戦で長い回を投げた後や3連戦以上になった時に、投球数や回数を制限する方法もあると思う。
日本高校野球連盟が検証中のタイブレーク制も負担軽減につながるが、一人の投手が投げ続ける可能性は残る。
答えは一つじゃない。(編集委員・安藤嘉浩)