東海大福岡―大阪桐蔭 力投する大阪桐蔭の徳山=角野貴之撮影
(29日、選抜高校野球 大阪桐蔭4―2東海大福岡)
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直球でいかせてくれ――。大阪桐蔭の捕手、福井はエースの心の声が聞こえたという。「徳山からそんなオーラが出ていました」
1点差に迫られた八回、なお2死二塁のピンチ。内角直球のサインに徳山は迷わずうなずく。「強い気持ちで投げ込もう」。この日最速の140キロで5番打者を一ゴロに打ちとった。
「打の桐蔭」が苦しんでいた。四回まで無得点。エースは燃えた。「ゼロを並べて援護を待つ」。直球は走り、直球以上に腕を振って投げるスライダーも切れる。言葉通り、先に点を与えることを許さない。
「絶対的エースになる」と新年に誓いを立てた。正月休みも朝7時から自宅周辺を約10キロ走った。1食で白米を1キロ食べ、体重も5キロ増。直球も変化球も切れが増し、今大会は22回で4失点。「ピンチでも落ち着いて投げられています」。心の成長も実感している。(山口史朗)
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○山田(大) 七回1死三塁からのヒットエンドランで中前安打を放つ。「前の打席で球をたたけていた。だからあのサインが出たと思う」
○西谷監督(大) 「とにかくランナーを出して足を使っていくしかなかった。非常に厳しい試合になったが、粘りを出せたのは財産になる」