関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)が、5月中にも再稼働する見通しとなった。7日、関電の豊松秀己副社長ら幹部が福井県と高浜町に、高浜原発構内で起きた大型クレーン倒壊事故を受けた総点検の結果を報告。関電は、再稼働の条件が整ったと判断して、近く準備に入る。
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3、4号機とも、約1カ月かけて燃料を入れてから原子炉を起動し稼働させる。その後段階的に出力を上げ、さらに約1カ月後の6月にも営業運転に入る。3号機は4月中旬まで定期点検が行われているため、4号機が先に動きそうだ。
関電は2基が営業運転に入った後、電気料金を値下げする方針だ。
全国で現在動いている原発は、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)、四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の3基のみ。高浜3、4号機は、16年1~2月にいったん稼働したが、大津地裁が運転差し止めの仮処分を決定し、動かせなくなっていた。今年3月末、大阪高裁が決定を取り消したため、再稼働できるようになった。
関電から福井県などへの7日の報告では、同社の各原発で実施中の1516件の工事で、強風対策の強化や気象情報の速やかな入手など295件の改善策を導入したという。豊松副社長は、「継続的に点検を行う。県民のみなさまにも丁寧に説明したい」と述べた。