朴槿恵(パククネ)前大統領時代に情報機関の国家情報院(国情院)が大統領府に多額の秘密資金を提供したとされる事件で、韓国検察は17日、駐日大使を務めた李丙琪(イビョンギ)・元国情院院長らを贈賄罪などの容疑で逮捕した。李容疑者は2015年12月の日韓慰安婦合意を主導した。
元駐日韓国大使を緊急逮捕 特殊活動費提供の疑い
「積弊(旧体制の弊害)清算」を掲げる文在寅(ムンジェイン)政権による保守政権時代の不正追及の一環で、今後、別の収賄などの事件で公判中の朴前大統領の関与にも捜査が及ぶ可能性がある。
ほかに逮捕されたのは、同様に朴政権時代の国情院トップの南在俊(ナムジェジュン)・元院長。検察当局は、国情院が朴政権時代、使い道を明らかにする必要がない「特殊活動費」を流用する形で大統領府に総額約40億ウォン(約4億円)を送金していたと判断し、ソウル中央地裁に逮捕状を請求していた。
このうち李容疑者は毎月5千万ウォン(約500万円)だった送金額を1億ウォンに増やした疑いをもたれ、14日未明に検察に緊急逮捕され、身柄を拘束されていた。
検察は3日には、国情院から裏金を受け取ったとして朴氏の元側近、李載晩(イジェマン)・元大統領府総務秘書官らを逮捕。今後、韓国最大財閥のサムスングループから多額の多額の賄賂を受け取ったとして収賄罪などで公判中の朴氏についても捜査を本格化させるとみられる。(ソウル=武田肇)