受信料契約を拒否した男性にNHKが受信料の支払いを求めている訴訟で、金田勝年法相は12日、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)に受信料の支払いを義務づけた放送法の規定は合憲とする意見書を提出した。国は訴訟当事者ではないが、判決が社会に大きな影響を与えると判断した場合に取れる措置で、戦後2例目。大法廷は年内にも弁論を開き、受信料制度について初判断を示す。
男性は受信設備を設置すると受信契約を結ぶ義務があるとする放送法の規定は違憲だと主張。一審、二審は敗訴した。法相は意見書で、「公共放送は、国民が生命や財産を守るのに必要な情報を提供するという重大な社会的使命を負っている」とし、合憲だと述べた。
法務大臣権限法は、国の利害などに重大な関係がある場合に、裁判所の許可を得て国が法廷で意見を述べられると定めている。法務省が同法に基づき、今年3月に意見陳述を申し立てていた。(小松隆次郎)