気象庁は9日、鹿児島、宮崎両県にまたがる霧島山の一つ、えびの高原・硫黄山(宮崎県えびの市)周辺の噴火警戒レベルを1から2に引き上げ、火口周辺警報(火口周辺規制)を発表した。火口から約1キロの範囲で噴石が飛び散る可能性があり、注意を呼びかけている。
8日の現地調査で、火口内に噴出物を確認。監視カメラによる長期観測でも噴気量の増加が認められた。今後、小規模な噴火が発生する可能性があるという。
えびの高原・硫黄山周辺の噴火警戒レベルはこれまで、状況に応じて火口内への立ち入りが規制される噴火予報(活火山であることに留意)だった。
■火口周辺が立ち入り禁止に
噴火警戒レベル引き上げに伴い、宮崎県えびの市は9日午後7時20分、硫黄山の火口からおおむね1キロの範囲を立ち入り禁止にする措置をとった。期間は当分の間。
県も同時刻、県道1号のえびのエコミュージアムセンター前(えびの市末永)~料金所跡(宮崎県小林市南西方)の約13キロ区間を全面通行止めとした。10日午前8時に一部を解除し、通行止めは5キロになる見通し。(寺師祥一)