前半、ゴールを決めるセ大阪の杉本=内田光撮影
(14日、セ大阪5―2広島)
50メートルをぶっちぎっても、セ大阪のFW杉本健勇の頭はさえていた。
3―2に追い上げられた後半13分、自陣で味方がカットした球が転がってきた。ゴールまでは約70メートルもある。だが、目の前にはDF1人。行くしかない。
ドリブルで加速。ペナルティーエリア手前で広島のDF水本と1対1に。「足を出してくると思ったんで股しか考えていなかった」。右足を振り抜くと、滑り込んだ水本の股を通し、GKの手をかすめて左サイドネットに転がした。「瞬時の判断はイメージ通りでした」と自画自賛だ。
前半の同点ゴールに続く貴重な追加点で今季5得点目。これまで得点した2試合は追いつかれて引き分け、主将の柿谷から「お前が決めたら勝てないから決めるな」といじられていたが、3度目でヒーローになった。「やっとですね。チームが勝てたのが一番うれしい」
24歳で決めた記憶がないという「母の日」の得点。「ゴールをプレゼントしたいと言ったのを有言実行できてよかった」と話すと、端正な顔がほころんだ。(増田啓佑)
○尹晶煥監督(セ) 「後半に失点して少し悪い流れになったけど、追加点で自分たちの流れにできた。選手は勝てる方法をつかんでいると思う」
○茂庭(セ) 途中出場でJ1リーグ300試合出場。「選手、監督に最高の舞台を作ってもらいました。絶対セレッソで達成したいと思っていた」
○ヨニッチ(セ) CKから2得点。「11試合で4得点はDFとして少し違和感もあるけど、自分のところに来たらしっかり決めたいと思っている」