北京の人民大会堂で19日に上演された創作バレエ「白毛女」で、熱演するバレリーナの森下洋子さん(中央上)=西村大輔撮影
日中国交正常化45周年にあわせて、中国とゆかりが深い「松山バレエ団」(東京都港区青山)が19日、北京の人民大会堂で、中国の革命歌劇「白毛女」をバレエにした作品を上演した。バレエ歴66年の日本を代表するバレリーナ、森下洋子さんの力のこもった舞に、約5千人の観客から惜しみない拍手が贈られた。
松山バレエ団は1948年に創設され、国交正常化前の1958年に初めて中国で公演。中国公演を重ね、今回で15回目となった。かつては周恩来首相が参観したことがあり、胡錦濤前国家主席も2008年に日本を訪れた際に同団を訪問したという。
「白毛女」は、悪徳地主に虐げられて白髪になった少女が最後は地主たちを打倒する中国の革命歌劇で、松山バレエ団がバレエ作品として創作。58年の中国初公演でも披露された。今回は訪中した同団員約90人と、中国のバレエダンサーが共演した。
初めて人民大会堂で踊ったという森下さんは「中国への感謝と謝罪の気持ちを込めて踊りました。周恩来首相ら多くの先人がいらした人民大会堂で踊ることができて、ものすごく感動しました」と話した。(北京=西村大輔)