厚生労働省は、後発医薬品(ジェネリック)の普及割合を80%に引き上げる目標時期について、2020年秋に半年前倒しする方針を固めた。薬剤費は増え続けており、価格の安い薬の普及を加速させて社会保障費の抑制をめざす。
23日に開かれる政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)で、塩崎恭久厚生労働相が表明する方針だ。後発薬は特許が切れた先発薬と同じ成分で、価格は一般的に先発薬の4~5割程度と安い。普及を早めて薬剤費を抑制させる。前倒しによる具体的な財政効果は試算していない。
15年に定めた普及目標は「20年度末までのなるべく早い時期に80%以上」。17年は推計で65・1%で、普及していない地域での取り組みを強化する。また、今はほとんど普及していない遺伝子組み換えや動物細胞などを使ってつくる「バイオ医薬品」の後発品の開発に向けた研究支援も進め、品目数を今の29から20年度末までに倍増をめざす。
また、特許期間中の新薬の価格を維持する加算制度については対象とする医薬品の範囲や企業を見直す方針も打ち出す。使われない残薬や重複投薬を減らすため、かかりつけ薬剤師の普及も表明する。(水戸部六美)