欧州連合(EU)のユーロ圏財務相会合は22日、ギリシャへの追加融資を協議したが、合意を6月15日の次回会合に先送りした。追加融資の事実上の条件となる、ギリシャの債務軽減策の詳細を詰め切れなかったため。ギリシャは7月に多額の債務返済期限を迎え、それまでに追加融資を受けられなければ財政不安が再燃するおそれがある。
ギリシャ議会は先週、ユーロ圏側の求めに応じて追加緊縮策の法案を可決。これを受けたこの日の会合では、ユーロ圏側が追加融資に応じるかが焦点だった。
一部の参加国からは追加融資の条件として、国際通貨基金(IMF)の支援策への参加を求める声が上がった。過去にギリシャ支援に参加してきたIMFは2015年8月に始まった現在の支援策に資金を出していない。IMFは現状ではギリシャの政府債務が持続可能でないとみて、ユーロ圏側に債務軽減策の実施を求めているためだ。だが、この日の会合では、債務軽減策の規模などの詳細で合意できなかった。
ユーロ圏財務相会合のデイセルブルーム議長は会合後の記者会見で「合意にかなり近いところに来ている」と述べ、次回の会合に向けて協議を急ぐ考えを示した。(ロンドン=寺西和男)