与謝野馨氏
政界屈指の財政再建論者として知られ、官房長官や財務相などを歴任した与謝野馨・元自民党衆院議員が死去した。78歳だった。
「トランプやルペンと違うのだ日本は」 筆談で与謝野氏
1938年、東京都生まれ。歌人の与謝野鉄幹・晶子は祖父母。63年に東大法学部卒業後、日本原子力発電に入社。中曽根康弘元首相の秘書を経て、76年に衆院旧東京1区で初当選。当選10回。通商産業相や自民党政調会長のほか、第1次安倍政権で官房長官、麻生政権で財務相を務めた。
自民党が野党転落後の2010年に離党。「たちあがれ日本」の結成を経て、11年には民主党の菅政権で経済財政相に就任。消費増税と社会保障の一体改革のとりまとめに動いた。退任後は下咽頭(いんとう)がんを患った影響で声が出にくくなり、療養に専念するために12年に引退。自民党にも復党を申請し、17年4月30日付で認められた。
13年春の叙勲では、旭日大綬章を受章した。