インタビューに答える世界貿易機関(WTO)のアゼベド事務局長=22日午後、東京都千代田区、関田航撮影
世界貿易機関(WTO)のアゼベド事務局長が、訪問先の東京で朝日新聞の単独インタビューに応じた。環太平洋経済連携協定(TPP)が米国抜きの11カ国での発効を検討していることについて「世界貿易のゆがみを減らす試みで、歓迎する」と評価。世界的な保護主義への懸念も高まる中、自由貿易を進める日本のリーダーシップへの期待を示した。
アゼベド氏の来日は3年ぶり。TPPをめぐっては、11カ国がベトナム・ハノイで開いた閣僚会合で発効に向けた再スタートを切った。これについて、「多くの分野で高い基準を持つ重要な枠組みであり、無駄になるのはもったいなかった」と話し、米国が離脱した後も協定を前進させるように呼びかけた。
日本が議論を主導することについては、「日本が何もしなければ事態が動いたとは考えにくく、世界でこういうことができる数少ない国だ」と評価した。
また、米トランプ政権の誕生や英国の欧州連合(EU)離脱決定で世界的に保護主義への懸念が高まることについて、アゼベド氏は「米国の実際の政策が出てきているわけではなく、判断するのはまだ早い」と慎重さを見せた。「政権が代わったいくつかの国は今までのやり方を変えたいと思っており、大事なのは彼らとテーブルについて対話することだ」と呼びかけた。
こうした国々で「自由貿易で仕…