監督復帰会見の冒頭、謝罪した日本代表の中垣内祐一監督(右)と日本バレーボール協会の林事務局長
日本バレーボール協会は24日、乗用車を運転して事故を起こしたとして対外活動を控えている全日本男子の中垣内祐一監督(49)が6月8日にチームに合流すると発表した。チームはワールドリーグ予選がある欧州に遠征中だが、帰国後の6月9日、国内初戦となるトルコ戦が初采配となる。
中垣内監督は昨年11月、乗用車で人身事故を起こして、協会から譴責(けんせき)処分を受け、対外活動を自粛していた。22日に大阪簡裁から罰金70万円の略式命令を受け、24日に罰金を郵送で納付した。緊急会見に臨み、「被害者には心よりおわび申し上げる。今後も誠意ある対応を取り、監督の任をまっとうしたい」と頭を下げた。
会見には日本協会の林孝彦事務局長も同席した。中垣内監督は「(事故直後は)率直に申し上げて辞任も考えたが、多くの場所で議論されて監督に選任された。その責任があった」と監督続投を決断した理由を明かした。中垣内監督によると、被害者は現在、リハビリ中で示談交渉も継続しているが、「被害者からは監督で頑張って下さいという言葉をちょうだいした」とも述べた。
会見では、終始、沈痛な面持ちで、言葉を選ぶように発言した。2大会連続で五輪出場を逃している男子の復権を託されるが、監督続投には批判的な意見もある。3年後に迫る東京大会で残す成績には、より厳しい目が注がれる。このことに中垣内監督は「多くの方にご迷惑をおかけしてきたと強く思う。少しでも恩義に報いるためには(東京五輪で)結果を出すしかないと考えている」と決意を語った。
監督は事故を起こした状況も報道陣に初めて説明した。高速道を運転中、右側の工事車線に入る手前で時速80キロまで減速。工事区内に入ってから警備員が旗を振っていたため、さらに減速しようとブレーキを踏んだが、路面がぬれており、後輪がスリップしたという。(能田英二)