神奈川県警大船署の巡査部長が虚偽の供述調書を使って請求した捜索令状で大麻を押収していた事件で、大麻取締法違反(所持)の罪で起訴された男性(25)に対して横浜地裁は12日、無罪を言い渡した。国井恒志裁判官は「証拠収集に重大な違法があった」と述べた。検察側は求刑を放棄していた。
判決は押収した大麻0・9グラムを証拠から排除し、「大麻所持の客観的な証拠はない」と結論づけた。男性は公判当初から「大麻は自分のものではない」と主張しており、判決は「大麻所持の認識もなかった」と述べた。
巡査部長は昨年10月、男性の関係者が「男性が自宅前にとめている車両内に大麻があった」と話したにもかかわらず、確実に捜索令状を取ろうと「男性の部屋で大麻を見た」とうその内容を加えて、供述調書を作成。捜索の結果、男性のバイクの収納部から大麻1袋が押収された。
巡査部長は懲戒免職処分となり、地方公務員法違反罪などで罰金50万円の略式命令を受けた。