北方四島を管轄するロシア・サハリン州のコジェミャコ知事は31日、日ロ両国の「共同経済活動」に向けた日本側の官民合同調査団による北方四島での調査の実施時期について「6月末か7月初めぐらいになる」との見通しを示した。朝日新聞の取材に答えた。
官民合同調査は4月の日ロ首脳会談で、5月中にも調査団を北方四島に派遣することで合意。だが、受け入れ態勢などをめぐってロシア側との交渉が難航していた。その代わり、日本政府は当初予定していた約60人規模の調査団を約30人に縮小し、北方四島を管轄するサハリン州に派遣した。
31日午前、調査団トップの長谷川栄一首相補佐官や外務省幹部と、コジェミャコ氏らサハリン州幹部との少人数会合が行われ、調査の進め方などについて協議。長谷川氏は冒頭、「本日の意見交換をもって現地調査がキックオフされた」と強調した。コジェミャコ氏は水産加工、農業、観光、医療などの事業を挙げて「様々な分野で協力できる可能性がある」と語った。
少人数会合後、北海道関係者や民間事業者らも参加した拡大会合を開催。ロシア側からは択捉島があるクリル地区と国後島がある南クリル地区のトップや北方四島の大手企業・ギドロストロイの幹部も参加した。(ユジノサハリンスク=中川仁樹、小野甲太郎)