澤田真吾六段(手前)に勝利し、記者の質問に答える藤井聡太四段=21日午後4時49分、大阪市福島区の関西将棋会館、伊藤進之介撮影
21日午後4時47分、先輩の澤田真吾六段(25)が投了を告げた。中学生棋士の藤井聡太四段(14)が、歴代最多の連勝記録に並んだ瞬間だった。
藤井四段の勝ちが決まると、100人近い報道陣が一斉に対局室になだれ込んだ。藤井四段は、カメラのフラッシュを浴びながら、「前回苦戦したので、内容のいい将棋を指したいと思っていた。反撃できる形になり(勝てて)良かった」と静かに語った。28連勝の感想については、「非常に幸運だった」「ツキがあった」。笑顔はなく、控えめな言葉だけを口にした。
大一番でも、落ち着いていた。相手の澤田六段は、今月2日の20連勝の時に最終盤まで苦戦を強いられた若手実力者だ。その積極的な攻めを、藤井四段は冷静にしのいだ。
勝負どころでは、盤に覆いかぶさるような前傾姿勢で読みを入れ、機を捉えて反撃に転じた。そして、最後は流れるように、相手玉を寄せきって快勝した。澤田六段は完敗を認め、「いい将棋を指したかったが、熱戦にならなくて残念。藤井四段はミスが少なく、隙がなかった」と語った。
対局を振り返る感想戦を終え、藤井四段の記者会見が始まった。「永久に破られない」と言われた30年前の大記録に並んだ14歳は、ここにきて、うつむきながらも、ようやく笑顔を見せるようになった。
昨年10月にプロとなったばか…