9月10日告示、同24日投開票の堺市長選で、大阪維新の会(代表=松井一郎大阪府知事)が擁立する方針を固めていた元民放アナウンサーの清水健氏(41)は21日、朝日新聞の取材に対し、立候補しない考えを示した。不出馬の意向はすでに維新にも伝えられており、維新は新たな候補者の選定に入った。
竹山氏、3選出馬を表明 堺市長選、維新と再対決か
清水氏は取材に対し、「今は(自身が取り組むがん撲滅の)基金の活動に専念することしか考えていない」と立候補しない意向を示した。
維新関係者によると、これまで維新は清水氏と水面下で交渉し、今年2月に擁立の方針を固めた。今月中に発表する準備を進めていたが、最近になって清水氏から自らの事情で立候補しないとの考えを伝えられ、候補者選びは白紙に戻ったという。松井代表は21日の定例会見で、清水氏擁立の経緯について「(維新が)打診したも、打診されたもある」と説明し、「(候補者を)早く決めたい」と語った。
堺市長選をめぐっては、前回維新の候補を破って再選した竹山修身市長(67)が、すでに3選を目指して立候補を表明。維新は来秋の大阪都構想の住民投票に向けて、同市長選を大阪での政治的影響力を示すための重要選挙と位置づけている。しかし、知名度の高い清水氏が不出馬の意向を示し、状況は混沌(こんとん)としてきた。(矢吹孝文)