桧山進次郎さん(ホリプロ提供)
プロ野球は23日、セパのリーグ戦が再開する。セは首位広島と、3ゲーム差の2位阪神が、広島の本拠マツダスタジアムで対決する。今季の対戦成績は広島の3勝6敗。セで勝率が5割を超えているのはこの2球団だけで、マッチレースの様相を呈してきた。王者広島に、阪神はどう挑めばいいのか。阪神OBで、日刊スポーツ評論家の桧山進次郎さん(47)に聞いた。
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広島と阪神のマッチレース? 時期尚早です。広島は強いですが、今季の阪神は力を底上げしている段階。ファンの方は期待し、マスコミも盛り上げたくなるでしょうが、まだ6月です。まずは夏をどう乗り切るか、です。
優勝という経験は大きいですね。広島は力の入れどころが分かっていて、メリハリをつけられる試合巧者ぶりが目立つ。その上、競争をさせながら、今年も岡田や薮田ら若い選手が出てきている。春先と比べても野球がよくなっています。
阪神はよくやっています。想像以上です。投手陣、なかでも勝ちパターンの救援陣の頑張りが本当に大きい。ドリスがリーグ最多20セーブ、ホールドはマテオが19、桑原が16です。左腕の高橋も含め救援陣の安定感は大きな強みで、現状で広島に勝っている点でしょう。
四球数がセ最多の250と攻撃面ではしぶとさが目立ちます。しつこい打者が増え、相手が嫌がる攻めができてきている。広島の攻撃力には劣りますが、接戦に持ち込みさえすれば、強力な救援陣を生かすことが出来ます。
ただ、今はまだ、広島戦を特別に意識する必要はありません。阪神もいい野球が出来ています。昨年と違い、中谷ら若手の野手が1軍レベルで戦えるようになった。チーム内にいい緊張感があるので、凡ミスも減ってきた。負け試合の中身もいい。
目の前の試合を必死に戦う、いまの野球を続けていけばいいと思います。これから投手陣に疲れが出る夏場に入る。攻撃陣が、好調の原動力となっている救援陣の負担を減らせると理想です。
巨人も盛り返してくると思いますが、秋口になって、阪神がこのゲーム差でこの位置にいられたら本当に面白い。発展途上のチームである分、王者の広島に捨て身でぶつかっていけます。その可能性は十分にあると思っています。