会見で聴取時の音声データを公開する少年の代理人弁護士=東京・霞が関
警視庁高井戸署員が2015年、当時中学3年の少年2人の任意聴取中に「高校に行けなくしてやる」と脅したとして、2人の父親が10日、都内で会見し、少年1人が録音した聴取時のやりとりを公開した。聴取は同級生に万引きを強要したとして行われたが、警視庁は同日、不適切な聴取を認め、万引きの強要は確認できなかったと説明した。
警官「少年院ぶちこむしか」 聴取で暴言、中学生が録音
東京弁護士会は同日、署員らの聴取について、署に書面で警告した。警告書によると、少年2人は同級生が15年12月に万引き事件を起こし、署に「2人から強要された」と説明したため、出頭を求められた。同月19日、署で約2時間、別々に任意の聴取を受けた。
署員らは2人に黙秘権を告げず、「逮捕状でも何でも取ってやる」「鑑別(所)でも少年院でもぶちこむしかない」「認めないと牢屋に入れる」などと発言。2人は当初、万引きの強要を否定したが、こうした聴取に強要を認め、1人は反省文を書いたという。
少年2人の父親は10日、それぞれ「今も理不尽さに怒りがこみあげてくる」「録音がなければ泣き寝入りするしかなかった。事件がなぜ起きたか、深く検証してほしい」と述べた。少年2人は警視庁からすでに謝罪を受けたという。
警視庁の森本敦司・生活安全総務課長は10日、聴取について「署員らが責任感から行った」と説明。「事案を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努める」と述べた。
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2015年12月19日、少年が署で録音した署員の発言は以下の通り。少年の発言は特定を避けるために省略されている。
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「悪いけどいまな、ごめんなさいって言えるチャンスをあげてるだけなんだぞ。いいか。ごめんなさいと言うチャンスをあげてるだけなんだ。お前の、そのな、発言次第じゃ、俺はお前の首を取るぞお。悪いけど。てめえ、高校なんか行かせねえぞ、オラ。学校じゃねえんだ、ここは。オラ。高校なんか行かせねえよ、お前。お前の言い方次第じゃ、お前、やってやんぞ。とことんやってやんぞ、おめえ」
「向こう(別の少年)は反省、…