宿舎で相手のビデオを見て分析する佐々木君(左)と久原君。「最初から最後まで、全て見て分析します」=兵庫県伊丹市
第99回全国高校野球選手権大会(日本高野連、朝日新聞社主催)の初戦を突破した花咲徳栄。18人のベンチ入り選手と兼任の「学生コーチ」としてチームを様々な面で支えているのが、久原(くはら)卓大(たかひろ)、佐々木将太(ともに3年)の両選手だ。
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「そこまで変化球がキレないな」「打線は1、3番に要注意」。初戦の前、宿舎で2人は対戦相手の開星(島根)を分析していた。
花咲徳栄ではデータ分析は学生コーチの役割。「投手の癖や球種、制球力を見る」のは、内野手で「野手専門コーチ」の久原君。捕手で「投手専門コーチ」の佐々木君は「打線の癖や捕手の動き」を主に見る。
選手としてのプレーより、分析や練習のサポートが主な役割になるコーチへの「転身」を岩井隆監督(47)から告げられたのは5月の春季関東大会後。事実上、レギュラーを諦めるだけでなく、他の選手に厳しい言葉もかけなければいけない立場になる。最初は戸惑った2人だったが「みんなで日本一になるためなら」と切り替えた。
分析結果をチームで共有し、戦い方を全員で決めていく。「作戦がはまると、やりがいを感じる」と久原君。佐々木君も「データの重要性を感じるようになった」。岩井監督も「毎試合、本当によくやってくれている」と信頼している。
「日本一をとるために、日本一の分析とサポートをします」。2人は力強く話した。(笠原真)
■開星戦をチェック
学生コーチの2人に、初戦を振り返ってもらった。
久原 初回から点を取って終盤に突き放せた。特に後半の集中力は課題だったので、成長を感じた。相手投手は外角の制球が良いと分析でわかっていた。その狙いもあったけど「甘い変化球も振っていい」とも決めていて、しっかり対応できていました。
佐々木 相手は長打もあるけど、コースに投げ分ければ長打はないだろうとわかっていました。綱脇は低めに、丁寧にボールを集められていた。初戦としては良い結果だと思います。
久原 次に向けて、相手投手全員の癖を見抜きます。丸裸にします(笑)。
佐々木 打者の特徴を見て、守りから積極的にいけるよう分析していきます。