どうぎんカーリングクラシックに出場した北海道銀行の小笠原=白井伸洋撮影
カーリング女子で五輪に3度出場した北海道銀行の小笠原歩(38)が、5年後の北京五輪に向けて動き出した。来年の平昌(ピョンチャン)冬季五輪出場を逃した直後は現役引退の可能性もほのめかしていたが、「やらないで後悔するより、やって後悔する方がいい」と決意を固めた。
小笠原は司令塔のスキップとして、8月6日まで札幌市であった今季初戦のどうぎんクラシックに出場。平昌五輪に出場する韓国代表チームなどを破り、3戦全勝で1次リーグを1位通過。決勝トーナメント準決勝で別の韓国チームに敗れたが、3位決定戦でドイツ代表に大勝した。
「葛藤が、なくはなかった」。現メンバーとともに3年間、平昌五輪を目指して走り続けてきた。が、今年1~2月の日本選手権で優勝を逃し、道が途絶えた。直後には「この後どうなるか何も考えていない。私の人生の中で最後、最高のチームだった」と涙をこぼした。その後は平昌五輪から採用される混合ダブルスにも挑戦し、元女子日本代表監督で同郷の阿部晋也(4REAL)とともに3月の日本選手権を制したが、4月の世界選手権(カナダ)で五輪出場枠を逃した。
この春は、「この先の長い時間を考え、母親らしい仕事をしながら過ごした」という。少しずつ気持ちと体の準備を整えた。ともに競技人生を歩んできた船山弓枝(39)も、チームに残ることを決めた。
次世代の選手が躍進してきたが、多くの女子選手が目標とするのは、やはり小笠原だ。「みんないいものを持っているけど、爆発できていない。私を超えるスキップが出てきたら、スキップを代わる」と、チーム内では厳しい言葉で若手を鼓舞する。
「一緒にやってくれる仲間がいる限り、信じてくれる限り、夢を追いかけたい」。2022年北京冬季五輪は43歳で迎えるが、世界のカーリング界では40代で活躍する選手も多い。(渡辺芳枝)