八回に勝ち越し本塁打を放った須田③を迎える聖光学院の選手たち
高校野球の秋季地区大会は18日、東北大会の決勝が福島市の県営あづま球場であり、聖光学院(福島1位)が6―4で花巻東(岩手1位)を破り、初優勝を果たした。聖光学院は各地区の王者が集う明治神宮大会(11月10日開幕)に出場する。
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聖光を初優勝に導いたのは、けがに苦しんだ2人の活躍だった。
前日の準決勝に続いて先発したのは、背番号1の衛藤。夏前に右ひじを疲労骨折し、7月に手術。ボルトが2本入った状態だが、8月に復帰してから急成長した右腕だ。
「下半身や腕に疲労があったけど、チームの気持ちを背負って投げた」と勢いよく腕を振った。スライダーの調子が良くないと感じると、中盤以降は直球を増やした。一~九回まで球速は130キロ台後半で変わらず。11安打を浴びながら要所は球威ある直球で締め、127球で完投した。
その衛藤が「あれでチームが喜んで、空気が変わった」と振り返るのが、八回の勝ち越しの場面。4―4の1死走者なし。5番須田が左越えにソロ本塁打を放った。
昨秋も主軸を担っていた須田だが、秋季大会後に右ひじの疲労骨折が判明。昨年12月と今年3月に手術をした影響で、今夏はメンバーに戻れなかった。
勝ち越し弾は追い込まれてからの厳しい内角直球に反応し、とらえたもの。「打球が切れなかった。難しいボールでしたけどね」と斎藤監督も高く評価する一発で、須田は「衛藤を助けたくて集中力を高めました」と振り返った。(山口史朗)