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医療的ケア児の通学、付き添い7年 親「心が折れそう」

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長男大和くん(右)に付き添う足立真悟さん。痰(たん)の吸引時の人工呼吸器着脱は、保護者に求められている=岡山市立竜之口小学校


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流し台にたまった食器や山積みの洗濯物は、朝、自宅を出たときのままだ。新潟市に住む富樫明子さん(46)の家事は、いつも午後4時すぎから。同じ生活が7年間続く。「疲れ切って、心が折れそう」。毎日、新潟県立の特別支援学校に通う高校3年の長女鈴さん(17)に約6時間付き添う「待機保護者」。脳性マヒの影響で呼吸が浅い鈴さんには人工呼吸器が必要だ。


体調不良でも付き添いは休めず、病院に行きづらい。のどに痛みを感じた昨秋は、1週間市販薬でしのいだ。その後の受診で、へんとう切除が検討されるほど悪化していた。「体力が続かない。夫婦のどちらかが倒れたら生活が破綻(はたん)する」


待機保護者は特別支援学校だけの問題ではない。岡山市の足立真悟さん(34)も今春までの約3年、学校の要望で市立小学校に通う5年生の長男大和君(11)に付き添った。介護休暇や育休、有給休暇を使った。


足立さんは「休職が長くなると家計が苦しくなる。付き添いをなくしてほしい」と求めたが認められず、生活保護の受給などを提案されたという。足立さんは「会社があり、健康に問題もない。保護を受けるのは違う」と拒んだ。家賃の支払いなどが滞り、大和君の治療のために積み立てた約500万円を使った。「貯金はほとんどなくなった。今後の生活が不安」


付き添いについては大和君の入学以降、再三相談してきた。看護師資格を持った看護支援員が大和君に付き添う週1日だけでもなくしてほしいという要望も通らなかった。


市教委の担当者は「医者もいない、医療設備もない普通学校で人工呼吸器の操作を看護支援員に任せるのは負担が大きい」と話す。


■看護師どこまで対応、自治体で差


厚生労働省の研究班によると、19歳以下の「医療的ケア児」は約1万7千人(15年度)と推計され、10年間で8千人近く増えた。医学の進歩が影響しているが、高度なケアも求められる。ただ、人工呼吸器など命に関わる機器の扱いまで看護師に任せるのかは自治体によって判断が異なる。 47都道府県立の特別支援学校の場合、6月現在で、12都県が人工呼吸器を使う子どもには原則、保護者に付き添いを求めていた。新潟県教委は「指針で看護師は人工呼吸器を扱わない」。秋田県は「実施要綱で保護者対応と決まっている」。長野県は「命に関わるので慎重に構える必要がある」が理由だ。


付き添いを求めていないのは5県。看護師らが子どもごとに異なる医療的ケアの方法に慣れ、さらに保護者との信頼関係をつくりながら、少しずつ付き添いをなくしていた。付き添い負担を軽減したい考えだ。山梨県は「研修などで看護師に技術を身につけてもらっている」という。4県は病院併設の特別支援学校や訪問教育で対応していた。


「個別に検討している」は26道府県。人工呼吸器を使う子どもを受け入れたことがない自治体もあり、実際の対応ははっきりしない。


日本看護協会の荒木暁子常任理…



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