五輪代表入りを狙う志賀葵(右)と妹の紅音
来年2月の平昌(ピョンチャン)五輪に出場するアイスホッケー女子日本代表(愛称・スマイルジャパン)で、高校生姉妹が五輪代表23選手入りを目指している。25選手が集められた北海道苫小牧市での10月合宿に参加した、ともにDFの志賀葵(18、帯広三条高3年)と紅音(あかね)(16、同高2年)だ。
小学校の校庭に水をまいて張られたリンクで、葵は小学2年、紅音は小学1年で一緒に競技を始めた。性格は正反対。「アオ(葵)は常に冷静で周りが見えている」「紅音はどんな相手でもガンガンぶつかっていける」と互いを認める。持ち前の運動能力の高さで、葵は高校1年、紅音も中学3年から代表に招集されてきた。
が、今年2月に苫小牧市であった五輪最終予選は2人ともベンチ外に。葵はサポートメンバーとして試合の録画などを手伝い、紅音は一般客として観戦していた。紅音は「女子の試合でスタンドが満席になる光景に感動した。この五輪のチャンスを絶対に逃したくないと気持ちが入った」。
高校ではソフトボール部に所属し、葵は遊撃手、紅音は二塁手。葵は今夏の大会で引退したが、2人は部活を終えてからアイスホッケーの練習に行くという日々を続けてきた。「それでも足りない」と、男子の練習に交じったり、学校のトレーニング室で筋力トレーニングに励んだりもしてきた。葵は「照れくさいからたまにしか言わないけど、『2人で一緒に(五輪メンバーに)入ろう』という話はします」と言う。
日本アイスホッケー連盟は11月の苫小牧合宿、12月のフィンランド遠征を経て五輪代表23選手を決定する予定。2大会連続出場となる平昌五輪では、まずは日本女子史上初となる1勝、そして銅メダルの獲得を目指している。(渡辺芳枝)