大学授業料の「出世払い」制度のイメージ
自民党教育再生実行本部(馳浩本部長)は7日、大学など高等教育の負担を軽減するための方策として、政府が授業料を肩代わりし、学生が卒業後、年収に応じて支払う「出世払い」制度の案を了承した。保護者の所得に関係なく政府が肩代わりをするため、幅広い層の学生を支援できるという。ただ、制度開始のためには巨額の財源が必要となるなど、課題も多い。
自民党は先月の衆院選で「真に必要な子どもに限り高等教育の無償化を図る」と公約に掲げ、消費税の増税分の使い道として授業料の減免措置や給付型奨学金の拡充を挙げた。ただ、こうした制度の恩恵を受けられるのは所得の低い家庭の学生に限られる。出世払い制度は政府内でも検討されているが、教育再生実行本部は案を岸田文雄政調会長に出し、党全体で議論を進めたいとしている。
今回の案は、オーストラリアの「高等教育拠出金制度(HECS(ヘックス))」をモデルにしている。対象となるのは大学や専門学校、大学院などの学生で、国立大の授業料に相当する年約54万円と、入学金として約28万円を補助する。また、私大の授業料に足りない分は無利子奨学金を追加で借りられるようにする。大学側にも「教育の質の保証」のための取り組みを求め、制度の対象とする大学のしぼり込みも検討する方向だ。
学生は卒業後、一定の年収に達…