宅配便最大手のヤマトホールディングスは21日、宅配などを担うセールスドライバーら約1万2千人の社員で新たに残業代の未払いが見つかったと発表した。判明済みの約4万7千人の一部で、さらに未払いが見つかったことも明らかにした。新たに判明した未払い分の総額は約40億円。7月以降に順次、一時金として支給するとしている。
ヤマトは全社的に広がる違法なサービス残業の実態をつかもうと、2月からグループの社員約8万2千人を対象に勤務実態の調査に着手。4月中旬に結果をまとめ、社員に支払う未払い残業代約190億円を2017年3月期決算に計上した。だが、「調査の時間が短い」「上司に気をつかって真実を明かせない」などと社員から不満が続出。パート勤務の社員も調査対象外だった。「確認のため」(広報)に再調査した結果、新たな未払いが次々に発覚したと説明している。
申請があったパート社員も調べたところ、一部で残業代の未払いが見つかったという。これで未払い分の総額は約230億円になった。ヤマトは「調査は区切りがついた」(同)として、今後は申請があった場合だけ調べるとしている。追加で判明した未払い残業代約40億円は、17年度上期を中心に、18年3月期決算に計上する方針。16日に提出を延期した有価証券報告書は、22日に関東財務局に提出するという。(石山英明)