南海電鉄の空港特急「ラピート」。特徴的なデザインが人気だ(同社提供)
キーワードは定期券利用者と訪日外国人客(インバウンド)の増加――。国内私鉄大手15社(非上場の東京メトロを含む)の2017年9月中間決算は、東武鉄道や名古屋鉄道、阪急阪神ホールディングス(HD)、西日本鉄道など8社の純利益が過去最高だった。グループの小売り事業やマンション販売なども好調だった。
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営業利益では、東京急行電鉄や近鉄グループHDやなど8社が過去最高となった。
鉄道利用者は全社で増えた。京王電鉄や小田急電鉄など少なくとも関東の5社で過去最高を更新。関西でも特急「ラピート」が有名な南海電気鉄道は、関西空港と大阪市中心部を結ぶ空港線が前年比で11・1%増えた。他社でも、空港に接続する路線の利用者は訪日外国人の増加で伸びた。
目をみはるのは定期券利用者の増加だ。
東京メトロの大手町駅では定期の利用者が前年より1日平均約4700人増え、名鉄も定期を中心に名古屋駅の利用者が3・5%増えた。
この傾向は関西でも同様だ。京都と大阪を結ぶ京阪電鉄を傘下にもつ京阪HDは前年比1・5%増。近鉄は数年前から増加傾向の名古屋地区に続き、今年に入って大阪地区の定期も増えつつあり、定期券の売り上げが中間決算としては21年ぶりに増えた。安本幸泰専務は「ずっと続いてほしい」と話した。
定期券が増える背景には、沿線…