近畿の主な活断層と慶長伏見地震前後の大地震 大阪府北部を震源とする最大震度6弱を記録した地震の被災地は、過去にも大地震に見舞われている。豊臣秀吉が天下を統一した時期にあたる1596年の「慶長伏見地震」だ。「地震考古学」の第一人者として知られる寒川旭(さんがわあきら)・産業技術総合研究所名誉リサーチャー(71)に、慶長伏見地震と今回の地震の特徴などについて聞いた。 【特集】大阪北部地震 ――慶長伏見地震とはどんな地震だったのですか。 今回の地震は大阪府周辺の活断層のうち、「有馬―高槻断層帯」「上町断層帯」「生駒断層帯」の三つが交差する複雑な場所で起きた。このうちの有馬―高槻断層帯が、1596年に起きた慶長伏見地震で最大級の活動をしていた。豊臣秀吉が築いた伏見城(京都市伏見区)の天守閣の上半分が崩れ、二ノ丸も倒壊し300人余りが命を失ったとされる。 従来、慶長伏見地震は狭い範囲の地震とみられてきたが、近年、新史料の発見や遺跡の発掘調査が進み、大きな被害をもたらした地震だったことがわかってきた。(6世紀前半の継体(けいたい)天皇の墓の可能性がある)大阪府高槻市の今城塚古墳では墳丘の直下に断層があり、墳丘の7割程度が地滑りを起こしていた。神戸市の須磨寺に残された記録には寺が被害を受け、兵庫の町並みも残らず倒れて燃えたと記される。淡路島でも洲本城が崩壊するなど広い範囲で被害があったようだ。 ――それより以前、この断層帯が影響した大きな地震はあったのですか。 慶長伏見地震より前には、同じような地震が約2800年前の縄文時代と弥生時代の境目くらいに起きている。断層の活動周期は2千年あまりと考えられるため、近々、有馬―高槻断層帯から大地震が発生するとは考えにくい。だが、最近1万年間の活動が知られていない上町断層帯に地震活動が波及する懸念もあり、様子を見守る必要がありそうだ。ちなみに慶長伏見地震では、発生数日前に四国や九州で大地震が連続して起きていた。その9年後の1605年には、南海トラフからと思われる慶長地震が発生し、太平洋岸の広い範囲に大津波が来ている。 ――南海トラフを震源とする地震も心配です。 南海トラフの巨大地震は、文献史料や各地に残る地震痕跡から考えると、90~200年の周期で起きている。江戸時代以降で共通するのは、この地震が起きる数十年前に西日本で内陸の地震が多くなっていることだ。地震が頻発する活動期の最後に巨大地震が来て、その後、静穏期になるのを繰り返している。西日本は1995年の阪神・淡路大震災以降、活動期に入ったと考えられており、今回の地震は活動期に増える内陸地震の一つと考えることができる。 現在の地震の発生状況は、平安時代初めごろの9世紀の状況と似ている。869年の地震で東北地方の太平洋岸に巨大津波が押し寄せた後、西日本でも地震が頻発し、887年に南海トラフの巨大地震が起きた。地震の予知は難しいが、過去の経験から学ぶことはできる。歴史をひもとけば、各地で大きな地震が起きている。嫌なことから目をそらすのではなく、過去にどんなことが起きたか知り、対策を練っておくことが必要だ。(聞き手・渡義人) さんがわ・あきら 1947年生まれ。産業技術総合研究所で主任研究員を務めた。遺跡に刻まれた地震痕跡から地震の歴史をつきとめる「地震考古学」を提唱。著書に「歴史から探る21世紀の巨大地震」(朝日新聞出版)など。 |
「地震の発生状況、9世紀に似ている」 大阪北部地震
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