長野・軽井沢で事前合宿を張った英国女子。カーリング界の「クールビューティー」イブ・ミュアヘッド
カーリング男子の日本代表「SC軽井沢ク」に立ちはだかる世界のライバルたちは、個性あふれる選手が目白押しだ。チーム東京の頭脳派3人に、注目すべき選手や見どころを語ってもらった。
東大流カーリング集団、強豪に成長 すべらない観戦術も
「氷上のチェス」カーリングの見どころ・ルールを解説
朝日新聞デジタルでは、14日から始まる平昌五輪のカーリング男女4人制で、彼らに勝負のあやを語ってもらうライブ解説や、カーリングの奥深さ、男女の日本代表選手たちの素顔を語ってもらう企画記事を随時掲載します。名付けて「東大式 すべらないカーリング観戦術」。頭脳集団が語り尽くすカーリングの魅力をお楽しみください。
ノルウェーが誇るイケメンは46歳
日本が14日夜の1次リーグ第1戦で戦うノルウェーは、46歳のスキップ、トーマス・ウルスラードが率いる。「おじさんだけど甘いマスクとバキバキの腹筋で、見る者をひき付ける。カーリング界の福山雅治ですね」。ノルウェーは2014年ソチ五輪は5位、10年バンクーバー五輪は銀メダル。「優勝候補の一角なので、日本はこの初戦をものにできるかどうかが大きい。1次リーグ突破に向けた試金石になりそう」
米国には「マリオブラザーズ」がいる
ノルウェーがイケメンなら、米国は「カーリング界のマリオブラザーズがそろう異色のチーム」。赤い野球帽と口ひげがトレードマークのセカンド、マット・ハミルトン(28)の風貌(ふうぼう)はマリオそのものだ。そしてスキップのジョン・シュスター(35)も「実年齢よりもだいぶ年上っぽい見た目で、見方によってはルイージっぽい」。
そんな米国は一見、強そうではない。「ぽっちゃり体形だし。でも勝負のあやを分かっていて、大事なところでいいショットを決めてくる」という。SC軽井沢クとは2016年世界選手権でも対戦し、壁に当たって跳ね返ってきた石をどう判断するかを巡ってもめて、結局、日本が負けたという因縁もある。平昌で両チームは1次リーグ中盤の第5戦(18日)で対戦するだけに、後半戦に向けたポイントを握る一戦となりそうだ。
男子の優勝候補はここだ
「優勝候補はカナダとスウェーデン。3番手はノルウェーで、ダークホースは英国かな」。英国は、平昌で3大会連続五輪出場となる女子のスター選手、イブ・ミュアヘッド(27)の兄グレン(28)と弟トーマス(22)がいるチームだ。「英国には世界大会常連の2チームがあるが、ミュアヘッドのチームが五輪代表の座をつかんだ。勢いがありますね」。日本は15日の第2戦でぶつかる。
カナダの「世界最強スイープ女子」に注目
日本から「ロコ・ソラーレ(LS)北見」が出場する女子はどうか。「カナダがアスリート集団で、ばりばりの優勝候補。筋肉ムキムキで『世界最強スイープ女子』といっても過言ではないセカンドのジョアンナ・コートニー(28)に注目してください」
あの「可愛すぎる」選手、ゲームメイクに円熟味
そして2010年バンクーバー五輪に19歳で出場した時は、日本でも「可愛すぎる」と一部ファンの間で話題になったイブ・ミュアヘッド率いる英国。14年ソチ五輪の銅メダルを経て、今やすっかり大人の女性の魅力を漂わせ、プレースタイルも円熟味を増しているという。「カーリング発祥の地・スコットランドが生んだツヨカワ系女子。若いときはどんどんテイク(石を強く投げ、相手の石をはじき出すショット)、テイクで押してきたけど、今は場面に応じたゲームメイクが出来る。チームとしても完成度が増している」。カナダ、英国に日本がどう食い下がれるかに注目だ。
男女とも日本を含めた10チームが出場。総当たりで行う1次リーグの上位4チームが準決勝(男子は22日、女子は23日)に進む。(平井隆介)