佐々木蔵之介=東京・六本木、山本倫子撮影
ドラマや映画、舞台やCMで大活躍の佐々木蔵之介さんが、今月で50歳を迎えました。その佐々木さんが同一人物の20~60代までを演じるのが、読売テレビ開局60年スペシャルドラマ「天才を育てた女房~世界が認めた数学者と妻の愛~」(日テレ系、23日夜9時)です。1960年に文化勲章を受章した実在の天才数学者・岡潔を演じた佐々木さんに、役作りで意識したことや、ご自身と岡潔との共通点、プライベートの息抜きなどを聞きました。
逆境を楽しむ姿勢で 佐々木蔵之介さん
――最初にこの役を打診された際はどんな印象を受けましたか?
今までも歴史上の人物を演じたことはありますし、過去に存命だった方を演じたこともありますけど、今回の岡さんはとても印象的な方ですね。岡さんについては、事前にいただいた資料も読んで、台本の前にまずこんな方だっていうのを知ってから臨んだんです。
その資料の中で、文化勲章を受章して、天皇陛下から数学とはどういうものですかと聞かれて、「生命を燃焼させるものです」という風に答えたとあるんですね。ああ、そこまで、生命を燃焼させるような思いで数学に生きた人を演じるということは大変なことだぞと。こんなすごい方を演じるのはとても覚悟がいることだなという風に思いましたね。
それで実際、こんな数学の資料がありますよというんで見たんですけど、到底読み解けないものなんですよね。どこから読んでどうなるのかも分からないような。これに向かっていくのか、この芝居をやっていくのかというのは、最初強く思うところがありました。
――役作りではどんなことを意…