慶大の得点に喜ぶ主務の小林由佳さん(中央)
東京六大学野球の春季リーグ戦が14日、東京の神宮球場で開幕した。開幕試合で戦った慶大のベンチには、今チームから主務となった小林由佳さん(4年、慶応女子)がスコアをつける姿があった。東京六大学連盟によると、1925年(大正14年)から始まるリーグで初めての女性主務だという。
小林さんは小、中学時代は器械体操に励み、高校では演劇部だった。ただ、弟が野球をしていたこともあり、野球部のマネジャーに興味を持っていた。さらに、高校3年夏に慶応高の試合を観戦。同い年の選手が涙している姿に「ベンチを笑顔にしたい」と思い、慶大でマネジャーになることを決意した。
開幕試合は15―0で快勝した。「試合前は緊張していましたが、一つ勝ててほっとしました」と選手と同じ心境を語った。河合大樹主将(4年、関西学院)からは「空気になってくれ」と言われている。「一体になって、空気のようにないといけない存在という意味です」と小林さん。試合中は選手と一緒に声を出し、得点すれば笑顔を見せた。初めての女性主務として、「後輩の女性マネジャーのためにも良い道をつなげていきたい。私もリーグ戦を通して成長したい」と話した。