(21日、高校野球群馬大会、関東学園大付5―0藤岡中央)
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関東学園大付の岡本京志郎(3年)が、大会屈指の好投手門馬亮(3年)から放った3点本塁打が勝負を決めた。「ホームランボールは天国の母に捧げます」。試合後、静かに語った。
今朝はいつものように仏壇に手を合わせた。「強い投手と戦うよ。背中を押してくれ」。母の弘美さんは中学3年の2月、膵臓(すいぞう)がんで亡くなった。
野球は小学4年の時、母の勧めで始めた。人見知りな自分に比べ、母は正反対の性格。弁当を手に、いつも明るく送り出された。
母のいない高校生活は、父の敬司さんが支えた。一度は選手をあきらめ裏方にまわったが、昨夏チームが初戦敗退したのを見て、悔しくて復帰。誰よりも振り込んできた自信がある。
三回裏、無死一、二塁の好機。俊足が持ち味の岡本はつなぐ意識で短めにバットを持つ。2球目、内角の直球を仕留める。「人生最高の感触でした。もう喜びがあふれてしまって」。腕を高く上げてダイヤモンドを一周した。「母も上で見てくれたんじゃないかな」。ボールは感謝の気持ちとともに、仏壇に供えるつもりだ。
「関東学園大付の名前をもっと上にとどろかせたい」。母、父、仲間――。支えてくれた人たちへ誓ったのは、あくまで甲子園への切符。チーム初の群馬大会優勝まであと2勝だ。(山崎輝史)