(7日、高校野球 前橋育英2―0近大付)
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前橋育英・恩田慧吾投手
マイペースな性格だ。初めて立った甲子園のマウンド。「こんなに多くのお客さんは初めて」。周りを見渡せる心の余裕があった。
二回、2四死球で無死一、二塁のピンチ。「球速が出ていない。低めを意識して投げよう」。送りバントを一塁手が三封し、次打者は遊ゴロに。最後は空振り三振に仕留めた。
「元々、尻上がりに調子が上がっていくタイプ」。本調子でなくても気にしない。徐々にリズムをつかむ。140キロ前後の直球にチェンジアップなどで緩急をつけ、丁寧に低めをついた。27個のアウトのうち約半数を内野ゴロで稼いだ。
身長172センチと小柄だが「全身を使って投げるなど出来ることはたくさんある」。走り込んでスタミナをつけ、投げ込んで制球力を磨いた。
捕手の小池は言う。「朝の散歩でも集合時間ぎりぎりで来て、いつの間にか先頭を歩いている」。どんな時でもマイペース。ひょうひょうとしたエースが、今大会の完封一番乗りを果たした。(鷹見正之)