(14日、高校野球群馬大会 高崎北6―4吉井)
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吉井の主将・堀越奏汰(3年)は「転入生キャプテン」。岩手県の強豪盛岡大付に入学したものの、なじめず退部。1年生の2学期から地元に戻り、吉井へ転入した。日本高野連の規定で1年間は公式戦に出場できず、昨夏はスタンド観戦だった堀越にとって今年は最初で最後の夏だった。
捕手として先発し、四回途中からマウンドへ。打っては2安打、投げては5回3分の1を自責点0。投打に奮闘したが、九回裏を迎えた時点で0―6。そこからチームの反撃が始まった。四球や単打でつなぎ、2点を返した。なお二死満塁。打順が回ってきた。
「俺がつなげる」。遊ゴロが敵失となり、その間に2点を追加。だが、そこまでだった。「もっと普段の行いが良ければ、野球の神様もほほ笑んでくれたかな」と、堀越は笑顔でゲームセットを迎えた。
「転入生の自分が主将になっても、誰も文句を言わなかった。温かく迎えてくれたみんなに感謝したい」。ムードメーカーは、最後まで周囲を和ませた。(松田果穂)