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豪雨で被災の主将、野球ができる喜びかみしめた夏終わる

(24日、高校野球広島大会、広工大9―6広)


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広島大会4回戦に登場したシード校の広は、広工大との打撃戦の末に敗れた。選手たちは涙を流しながらスタンドに向かって整列し、宮本哲太主将(3年)が声を絞り出した。「今まで支えてくれて、ありがとうございました」


呉市にある同校。豪雨で多くの選手が被災した。


自宅が被災した三塁手の吉田新希太(にきた)君(同)は、熊野町にある平崎直樹監督の自宅に数日間、身を寄せた。野球をしていいのか、葛藤もあった。だが、平崎監督から「試合に勝って恩を返そう」と励まされた。この日は一回に左越え適時二塁打を放つなど2安打の活躍。「野球ができる喜びをかみしめ、フルスイングしました」


坂町の自宅で閉じ込められ、泥の中から背番号を見つけて前を向いた向田(むこうだ)智樹君(同)。この日は九回2死から代打で出た。「グラウンドに立てるなんて想像できなかった。だからこそ、最後の打者にはならない」。7球目の外角直球を見送り、四球を選んだ。「つらい思いを一緒に乗り越えてくれた仲間のお陰で、今の自分がある」と涙をぬぐった。


粘り強く守り、接戦に持ち込んだ。平崎監督は「大変な状況の中でも集中力を絶やさず、勝ち上がってくれた。後輩たちにもいい財産になったはず」と選手たちをねぎらった。(原田悠自)


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