厚生労働省が31日発表した6月の有効求人倍率(季節調整値)は、44年4カ月ぶりに1・6倍台に達した前月より0・02ポイント高い1・62倍だった。企業からの求人は旺盛で人手不足感が強まっている。
6月の有効求人倍率は1.62倍 高い水準続く
有効求人倍率は、求職者1人あたりに何件の求人があったかを示す。6月は、有効求人数が前月比0・6%増だった一方で有効求職者数が同0・6%減となったことで、上昇した。正社員に限っても1・13倍。前月を0・03ポイント上回り、過去最高を更新した。
業種別の新規求人数(原数値)では、建設業(前年同月比4・0%増)、医療・福祉(同3・8%増)、製造業(同3・5%増)などで積極的な採用姿勢が見られた。
総務省が同日発表した6月の完全失業率(季節調整値)は2・4%。前月よりも0・2ポイント上昇し、4カ月ぶりに悪化した。就業者数は6632万人(前月比41万人減)。完全失業者数は166万人(同15万人増)で、このうち、自己都合による離職が7万人増えた。総務省の担当者は「人手不足を背景により良い条件の仕事へ転職しようとする人が増えている」と話す。(松浦祐子)