スペインのタクシー運転手が、ライバルとなる配車サービス「ウーバー」などの営業規制を求め、国内各地でストを繰り広げている。マドリードや観光都市バルセロナでは、目抜き通りを封鎖する実力行使に出るなどして、観光にも影響が出始めている。
既存のタクシー業界と、アプリを利用した新興の配車サービスの利害対立は、世界中で起きている。日本では原則認められていない。バルセロナ市と周辺自治体は6月下旬、ウーバーなどの配車サービスについて、「タクシー30台に対して1台」の割合に抑える、という規制を導入した。だが国家市場競争委員会が異議を申し立て、7月19日に裁判所が規制の適用を一時停止した。
スペインメディアによると、タクシーは同国内に7万台弱ほど登録されている。これに対し、ウーバーなどは、すでに7千台弱ほどある。
AFP通信などによると、ストはバルセロナを中心に25日に始まった。連帯を示そうと、30日には東部バレンシア、南部セビリア、北部サラゴサなどにも拡大した。バルセロナでは目抜き通りのグランビア通りにタクシーが陣取り、交通がマヒ。運転手はテントを張り、アスファルトに敷いたマットで寝泊まりして抗議を続けている。(パリ=疋田多揚)