米国や豪州など環太平洋の国・地域が参加し、4年に1度開かれる競泳のパンパシフィック選手権が9日、東京辰巳国際水泳場で開幕する。2002年の横浜大会以来、16年ぶりの国内開催。16年リオデジャネイロ五輪男子400メートル個人メドレー金メダリストの萩野公介(ブリヂストン)が復活を期し、初日のライバル対決に臨む。
「自分のレースをするだけ」。大会前日となる8日、萩野は繰り返した。リオ五輪後、右ひじを手術。昨年末には体調を崩し、2年連続で冬場の泳ぎ込みが満足にできなかった。4月の日本選手権ではライバルの瀬戸大也(ANA)に勝って400メートル個人メドレーを制したものの、リオ五輪で出した日本記録より4秒64遅かった。
6~7月のスペインでの高地合宿では「久しぶりに基礎から追い込んだ」。万全の状態ではないものの、日本代表の平井伯昌監督は「金メダリストになって、モチベーションや体調で難しい面もあった。今は泳ぎが整いつつある」という。
今大会、個人ではメドレー種目の2種目に出場予定。初日の400メートル個人メドレーで昨年の世界選手権優勝のチェース・ケイリシュ(米)、瀬戸らと対決する。萩野は「強豪選手もたくさんいるが、考えない。自分の100%を出すだけ」と語った。
高校3年の池江璃花子(ルネサンス)は個人で4種目に出場するほか、リレー種目にも出場予定。昨年の世界選手権銀メダリストの大橋悠依(イトマン東進)は初日の400メートル個人メドレーなどに出場する。(照屋健)