ボートの敵は飛行機? 2020年東京五輪のボート・カヌー会場となる「海の森水上競技場」(東京都江東区青海3丁目地先)の完成記念レースが16日に開催され、選手たちに感想を聞いた。建設前は波や風などが懸念されたが、感触は上々。ただ、気になる要素が頭上にあった。
「海の森水上競技場」完成式典 五輪ボート・カヌー会場
「風のわりには波が立たない。安心しました」と、胸をなで下ろすのはコースの設計に携わった日本ボート協会の元理事長、舘次郎さん(73)だ。
予想以上に静かだが…
会場は東京湾の埋め立て地にあり、周辺に何もない。舘さんが最も心配したのは強風と波。「こんなところに作れるのか」とも思ったが、消波堤によって囲われたコースは予想以上に静かだった。
この日は南西方向に6メートルの強風が吹いたが、記念レースに参加したU19日本代表の島田隼輔(日大1年)は「風が強いけど、その割に波が立たなくてこぎやすい」と、舘さんと同じ感想だった。
2015~17年のデータでは会場周辺の平均風速は2メートル台で、風速6メートル以上の日は全体の15%に満たなかったという。協会関係者は、この日の風は例外的な強さだったと受け止めている。夏は南風になることが多く、コース設計上、選手には追い風となる。海の森は「スピードコース」と言えそうだ。
一方で、U19日本代表の仲沢春香(福井・若狭高3年)が「気になる」と漏らしたのは上空だった。数分に一度、飛行機がコースの真上を通過したのだ。
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