9月の柔道世界選手権に出場する女子52キロ級の阿部詩(うた、兵庫・夙川学院)が11日、高校名の道着で出場する最後の大会を団体優勝で締めくくった。
昨年のグランドスラム(GS)東京と今年2月のGSパリを制するなど世界で活躍する阿部だが、高校総体は、1年の個人戦でまさかの初戦敗退。2年で優勝はしていたものの、「悔しい思い出の方が強くて、今年出ないと悔いが残ると思った」。個人戦は予選大会に出ていなかったため、3年目で初めて団体で出場することに。期限ぎりぎりの大会前日にエントリーした。
この日は3回戦から決勝までの全4試合で先鋒(せんぽう)を務め、3勝1引き分けと貢献した。「学校として戦っている感覚が楽しかった。急なわがままで仲間に迷惑をかけちゃったけど、優勝できて良かった」と笑顔を見せた。9月に向けて、「お兄ちゃん(一二三(ひふみ)=昨年世界選手権男子66キロ級優勝)ときょうだいで優勝を狙います」と抱負を語った。