(15日、Jリーグ 仙台4-1湘南)
仙台にとっては、リーグ戦での本拠勝利は3月末以来。サポーターにとっては待ち望んだ白星だった。
最新の試合結果はこちら
売り出し中の21歳、FW西村がその歓喜を呼び込んだ。2試合連続のゴールとなった勝ち越し点は、今季10点目。プロ4年目で自身初の2桁得点も達成した。
1―1の前半32分だ。正面からゴール左へ斜めに走って縦パスを受ける。相手を背負った状態で、浮き球を振り向きざまに右足で蹴り、GKの脇を抜いた。
トラップで球が浮いてしまったのは実はミス。「今までなら、あそこで打たなかった。新しい自分を見つけられた」。思い切りの良さは、持ち味。自信を深めた節目のゴールだった。
富山第一高の2年時に、全国高校選手権で同校の初優勝を経験し、卒業後に仙台へ。両足で力のあるシュートが打て、178センチで頭でもゴールが狙える。出場機会が増えた昨季、10試合2得点だったルヴァン杯で4強入りに貢献し、ニューヒーロー賞を受賞。どちらも、クラブ史上初だった。
渡辺監督は今季の成長を、ゴール前の落ち着きとみる。「とてつもなく、伸びしろがある」と期待が大きいからこそ、指摘も厳しい。後半にGKとの1対1を外したり、ポストに当てたりした西村に対し、「11点目も取れたでしょ。全然満足していない」。
西村が意識するのは、「相手に脅威を与えられるプレーをすること」。目指す存在に、なりつつある。(勝見壮史)