堀篭俊材の波聞風問
無認可で運営される例は珍しくないが、「命の水」を届ける水道事業となると聞いたことがない。伊豆半島で最も大きな別荘地の場合は、もう30年以上も「水騒動」が続いている。
JR熱海駅から車で20分ほどいくと、「伊豆エメラルドタウン」が広がる。静岡県伊豆の国市と函南町にまたがる東京ドーム57個分の土地に戸建てがたち並んでいる。
「大きな地震があれば古い水道管は壊れてしまう。もう待ったなしです」。別荘のオーナーたちでつくる管理組合の松木謙司理事長(70)は話す。1960年代に開発された別荘地は水道管の老朽化が著しい。配水管の亀裂などで、実に6割を超す水が地中に漏れているという。
もちろんワケがある。水道事業…