通貨安で急激に物価が上昇しているトルコで、8月の消費者物価が前年同月比で17・9%も上昇した。同国統計庁が3日発表した。消費者物価上昇率は7月の15・85%から2ポイント超拡大した。トルコがテロ支援などの罪で米国人牧師を拘束していることに反発したトランプ米政権が関税を引き上げ、8月にトルコの通貨リラが対ドルで30%超も下落した。輸入品が値上がりし、食品や飲料の価格は1年前より約20%上がった。
トルコ中央銀行は声明で「物価安定にとって重大なリスクを示している」と懸念を表明した。エルドアン政権は景気を冷やす利上げを嫌っている。ただ急激な物価上昇を抑えるには利上げが必要な状況で、トルコ中銀が次回13日の金融政策委員会で大幅な利上げに踏み切るかが注目されている。(ロンドン=寺西和男)