米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が8日のカリフォルニア州での講演で、低金利のために金利操作によるデフレ回避が難しい場合に備えた新たな金融政策について検討していることを明らかにした。日本銀行が採用した政策動向なども踏まえつつ、「景気がいい時期にこそ検討することが米国民への義務だ」と述べた。
パウエル氏は、デフレ回避への強い期待を生み出すため、物価上昇率が中央銀行の目標を上ぶれすることも認める姿勢を打ち出す選択肢に言及。講演資料では、日本銀行が2016年9月に打ち出した、物価上昇率が一時的ではなく「安定的に2%を超えるまで」という「オーバーシュート(行きすぎ)型」の目標設定も参考例として挙げた。
FRBはリーマン・ショック後の実質的なゼロ金利政策を15年12月に解除。18年12月までに9回の利上げを進め、19年も2回の利上げを見込んでいた。しかし19年1月には、米株式市場の変調や世界経済の減速を受け「辛抱強くなる」というキーワードを用いた利上げ休止の政策に転じた。
パウエル氏は「物価上昇の圧力…