4日正午ごろ徳島県に上陸した非常に強い台風21号について、気象庁は瀬戸内海沿岸や東海地方など各地で高潮の恐れがあるとして厳重な警戒を呼びかけている。特に大阪湾では、1961年の第2室戸台風で記録された過去最高潮位(2・93メートル)に近いレベルの高潮となる恐れがあるという。
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気象庁によると、予想される最高潮位は、大阪府で2・8メートル、兵庫県で2・7メートル、愛知県で2・5メートル、香川県で2・1メートル、和歌山県で1・8メートル、岡山県で1・7メートルなど。
高潮は、台風や発達した低気圧が通過する時に、潮位が大きく上昇する現象。台風などの周囲にある気圧の高い空気が海面を押し下げる一方、中心に近い場所では吸い上げるように海面を上昇させる。また、沖から海岸に向かって吹く強風によって海水が吹き寄せられ、海岸近くの海面はさらに上昇する。台風21号は中心気圧が低く、北上スピードも速いため高潮を招きやすい。
また、満潮の時刻と重なると、潮位がいっそう上昇して高潮の被害が起きやすくなる。4日の満潮時刻は大阪府岸和田市で午後3時58分、大阪市で午後5時10分、神戸市で午後5時17分。
気象庁は、海岸や河口付近について「ふだんは波が来ないようなところまで波が押し寄せ、被害が拡大することがある」として、浸水への警戒を呼びかけている。(鈴木智之)