リオデジャネイロ五輪体操女子代表の宮川紗江選手がパワーハラスメントを受けたと訴えた問題で、告発された日本体操協会の塚原千恵子女子強化本部長と夫の光男副会長が直接の謝罪を申し入れたことについて、宮川選手側が拒否したことが5日、明らかになった。
塚原夫妻「宮川選手に直接謝罪したい」体操パワハラ問題
塚原夫妻は8月31日に発表した声明で謝罪の意を示す一方で、宮川選手が主張した内容の一部を否定。今月2日には「直接謝罪をさせていただきたい」との声明文をメディアに公表していた。
宮川選手の代理人弁護士によると、4日に本人と両親を交えて対応を協議し、塚原夫妻側に申し入れを拒否する連絡をしたという。代理人は「頭を下げられても意味がない。2人とも進退を明言しておらず、協会に残ろうという意図が明らかだ」と話した。(時事)
宮川紗江選手を巡る一連の経緯
8月15日 指導中に暴力行為をしていたとして、速見佑斗コーチに対する無期限の登録抹消などの処分を日本体操協会が発表
8月20日 速見コーチが処分無効を訴えて東京地裁に仮処分を申し立て
8月21日 宮川紗江選手が処分に疑義を唱える文書を報道機関向けに発表
8月29日 宮川選手が会見し、処分見直しを訴え。協会の塚原千恵子・女子強化本部長らからパワーハラスメントを受けていたと明かす。協会は「選手が暴力を許容したとしても協会は許さない」と見解を発表。パワハラに対しては「協会に正式に訴えがあれば対応する」などと説明
8月30日 パワハラに関する正式な訴えを待たず、第三者委員会設置を決定
8月31日 速見コーチが申し立てを取り下げ、処分を受け入れると発表
塚原千恵子氏と夫で協会副会長の光男氏がパワハラを否定する声明を発表
9月2日 塚原夫妻が宮川選手に直接謝罪したいとの意向を発表
9月3日 協会がスポーツ庁などに経緯説明
9月5日 速見コーチが会見