米ニューヨークの国連本部で24日、2030年までの貧困根絶や性差別解消などをめざす「持続可能な開発目標」(SDGs)の関連会合が開かれた。グテーレス事務総長は厳しい財政状況に触れ、「早急に手を打たねばならない」と述べ、各国に協力を求めた。
国連開発計画(UNDP)の報告書は、生活基盤の整備のために発展途上国だけで年間4兆ドル(約448兆円)が必要と推計する。だが、投入される資金は1・4兆ドルにとどまっているという。
グテーレス氏は資金不足の解消策として、世界規模での経済政策の見直し、地域や国家における戦略の強化、技術革新の活用などに言及。「SDGsへの投資は、未来への投資だ。それは、平和や安定、繁栄を希求する世界を確かなものにする」と力を込めた。
会合では、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事も演説。「女子も男子も、それが誰で、どこで生まれたのかに関係なく、健康に育ち、栄え、能力を伸ばす機会を等しく持っている」とSDGsの必要性を訴えた。マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏も、目標達成のためには資金調達の仕組み作りがカギになると強調した。
SDGsは環境や人権、開発といった計17分野について、15年の国連総会で加盟193カ国によって全会一致で定められた。今回の国連総会でも関連イベントが多く開かれている。(ニューヨーク=藤原学思)