フランスのコロン内相は2日、仏紙フィガロ(電子版)とのインタビューで、仏南東部リヨン市長選に立候補することを理由に内相を辞任すると表明した。マクロン政権では閣僚辞任が相次ぎ、8月以降で3人目となる。コロン氏はマクロン大統領の側近。政権発足当初からナンバー2の内相に起用されてきただけに、マクロン氏にとって大打撃になるのは必至だ。
マクロン氏は「人の意見を聞かない」「上から目線」という評判が絶えず、仏メディアによると、コロン氏は9月上旬に「我々には謙虚さが足りていなかったかもしれない」とマクロン氏を遠回しに批判。「マクロン氏と話せる人は多くない。みんなが彼にひれ伏していたら彼は孤立しかねない」とも語り、不満をにおわせていた。
フィガロ紙によると、コロン氏は1日、2020年に実施されるリヨン市長選に出ることを理由にマクロン氏に辞意を伝えたところ、マクロン氏は「政権にとどまってほしい」と慰留したという。だが、コロン氏は翌日、同紙に「辞任の意思は変わらない」と述べた。コロン氏は01~17年までリヨン市長を務めた。
コロン氏はマクロン氏が大統領選への立候補を表明した16年夏、いち早くマクロン氏支持を表明。17年5月の大統領就任式では感極まって落涙するほどの近い関係だった。マクロン政権では内相として治安維持を担当し、フランスで相次ぐテロ事件の再発防止に取り組んできた。(パリ=疋田多揚)