大分県中津市耶馬渓町で今年4月、6人が犠牲になった土砂崩落が起きた現場斜面の地下に、地形から想定できる量の2・5倍もの地下水が集中していたことが、鹿児島大の研究チームの調査でわかった。地表から判別できない地下の地形に沿って、広範囲から水が集まっていたとみられるという。
現場斜面は台地のへりで雨水を集める地形ではなかったが、崩落後の斜面から毎秒0・55リットルの地下水が湧出(ゆうしゅつ)していた。地頭薗隆教授(砂防学)らが調べたところ、地形から計算できる2・5倍の水量だった。地下水で地層内の岩盤の浸食が周囲より進み、崩落につながったとみられる。
現場は土砂災害特別警戒区域などに指定されていたが、こうした制度は主に地形を基準としているという。その後の調査では、周辺で地下水が集まる地点が他にも複数確認された。
2015年に起きた鹿児島県垂…